NPO法人 Jキャンプ

 Jキャンプの事業

Jキャンプ2001 札幌キャンプ

写真1 
 マイク・フログリー(カナダナショナルチームヘッドコーチ兼イリノイ大学講師)を筆頭にバスケットボール王国アメリカから4人の講師を招き、夢のバスケットボールキャンプが開催できました。
 通常車椅子バスケットボールでは障害の程度に合わせてクラス分けがなされ、各選手が持ち点(軽度4.5点 重度1.0点で0.5点刻み)を加算した合計が14点以内にするようにチームを構成します。
 ところがこのキャンプでは女子・男子、初心者・全日本レベルはたまた障害の程度は度外視でチーム分けがされました。各選手を競技用の車椅子に座った状態で座高が高い方から低い方に並べて順番に割り振っていくのです。
 当初、選手には戸惑いの表情も伺えましたが、練習を重ねるたびにその不安は消え、最後には寄せ集めの選手達とは思えないほどのチームワークを発揮してコーチ陣を驚かせてくれました。
 フログリーコーチから教わることは全日本選手達にとっても新鮮だったようです。彼の前では背が低い、力が弱い、腕が短い・・・といった理由は通用しません。車椅子バスケットで成功するには、ただ車椅子バスケットを楽しみ、とことん好きになること。
 キャンプに参加してくれた選手の皆さんは、今までとは一味違った感想をそれぞれのチームに持ちかえってくれたようです。
写真2 ベストキャンパー賞 : 菅沢隆雄
ベストリーダー賞 : 鈴木明将、渡辺博光、京谷和幸、森紀之
敢闘賞 : 中垣知子、稲葉健
模範生徒賞 : 高林美香
汗だくでよく努力したで賞 : 工藤亮
10年後が楽しみで賞 : 香西宏昭
参加者の感想

香西宏昭 (千葉ホークス)
札幌キャンプの感想
香西宏昭 練習前のアップは、いつも走るだけであまり楽しくないけど、キャンプのアップは鬼ごっこみたいなことをやって楽しくアップが出来た。
 練習の時、マイクさんたちは、ゆっくりわかりやすくディフェンスの仕方やパスの仕方などを教えてくれた。正しいシュートの打ち方も教えてくれた。それはJ(ジェイ)とBEEF(ビーフ)。このシュートの仕方を練習してるとマイクさんが、「エクセレント!!」といっぱいほめてくれて、ほめてくれるとうれしくなってやる気になって、キャンプ中ずっと楽しかった。
 ゲームの時に普段ホークスだとやらないガードを体験できて良かったし、楽しかったし、キャンプのチームだとホークスじゃない他のチームの人と友達になれて良かった。
 でも、4日間でたくさんの種類の練習を少しずつやるより、1週間かけてじっくりとやりたかった。これだけ楽しい事がいっぱいあったけど、やっぱり最後のトーナメントで優勝できなかった事が1番悔しかった。
 でも、その後、僕はマイクさんに「10年後期待できる人」として、ボールをもらってしまった!!こんなにうれしくて最高の気分になったのは13年間生きている中で初めてだった。本当に本当にうれしくて、キャンプ中1番の思い出になった。
キャンプ後の試合ではマイクさんたちが教えてくれたディフェンスの仕方、トーク、J、BEEFなどを使って優勝することができた!!すごくうれしかった。
 今回のキャンプに参加してとても良かった!!今までは、ピックアンドロールをやる意味や、ディフェンスの仕方などはわからなかったけど、このキャンプでわかるようになった。もっともっとマイクさんにバスケットの技術を教えてもらいたい!!キャンプに参加して本当に本当に良かった!!楽しいキャンプだった!!


森 紀之 (千葉ホークス)
森 紀之 今回の北海道キャンプに参加することができ非常によかったと思いました。
 まず、マイクにイリノイ合宿後2年ぶりに会えたことがうれしかったです。そして、再びバスケットの楽しさを教えてもらうことができました。

 今回の合宿では本当に初歩的な事を学んだのですが、長年バスケをやっている自分にとっても、非常に論理的でわかり易く認識することができました。それ故、日本のバスケットのレベルの低さを感じましたが、この合宿に参加できた人達は少なからず、バスケの楽しさと考えることが大切だということがわかったと思います。こういうことが日本のどこのチームにでも、日常的に行われるようになれば、日本のバスケットのレベルはもっともっと上がることだろうと感じました。
 また、今回グループのリーダーをまかされたのですが、みんなをまとめるということの大変さを実感でき、非常によい経験を積むこともできました。
 そして今回のようなことが毎年のように開催されるとともに、さらにレベルの高いバスケットを学びたいと強く感じました。


中垣知子 (Brilliant Cats)
キャンプに参加して
中垣知子 私がこのキャンプで得たことは多くあります。バスケットの基本的技術や知識や楽しさなど。しかし、私自身、最も大きなものだと感じているのは、キャンプを通じて全力を尽くすという姿勢を持てるようになっていった事だと思っています。
 今までどこか何らかの遠慮があったり、自分の保身があったりして全力を尽くしきれていない自分がいたような気がします。でも、常にコミュニケーションをとることの大切さをマイクをはじめコーチの皆様に教わることで、そのようなことは小さな事だし、余計なことだと思え、何かに対して全力を尽くす、集中するという私なりの切り替えの方法・姿勢がつかめたような気がします。
 また、このキャンプでボールを頂けたこと、あきらめない、全力を尽くす姿勢を持っているということで評価いただいたことが、今までの出来事の中でうれしかったことでもあり、私の中でも素直に喜ぶことができたことでした。ありがとうございました。
最後に、このような素晴らしいキャンプを企画してくださったコーチの皆様、車イスバスケットボール実行委員会のスタッフの皆様、この貴重な経験の場を提供して頂いて本当にありがとうございました。


高林美香 (Brilliant Cats)
北海道キャンプ報告書
高林 美香 この度標記キャンプに参加させて頂き、キャンプ企画の及川様、神保様、松江様また事務局関係者の皆様には大変お世話になりありがとうございました。またたくさんのスポンサーの皆様方にも、格別のご高配を賜り、この場をおかりして厚くお礼申し上げます。

 さて早速ですが、今回のキャンプのご報告をさせていただきます。最初に、フログリー氏をはじめ海外のすばらしい講師の皆様にレッスンを受けることが出来、本当にありがとうございました。私は初めて海外で行っているようなキャンプに参加させていただいたのですが、私の今までのバスケット人生の中で一番すばらしいキャンプでした。私はバスケットをこよなく愛してきたつもりですが、今回のキャンプに参加することによって、ますますその愛情は増すばかりです。また指導の内容も非常にわかりやすく、今までなんとなくやっていたプレイや自分なりの考えでやってきた部分等がありましたが、今回細かくご指導を頂くことで、からまった紐が一つ一つ解けていくように理解することができました。

 またこのキャンプで一生懸命ガンバロウと思えたのは、英語のわからない私にとって一生懸命通訳してくださった方や会場を整えてくださった事務局・スタッフをはじめ、よりよいパフォーマンスができるように環境整備をしてくださったスポンサーの存在が大きかったと思います。合宿等は車椅子の修理・備品にしてもドリンクにしても自分の物は自分で管理・必要なものは自分で用意する。それはごく当たり前のことなのですが、スポンサーの皆様のサポートのおかげでそれがよりスムーズにさせてくれたことは言うまでもありません。そのおかげで、私たちは心配なこともなくその分プレイを楽しむことを提供していただけたように思います。

 私はこのキャンプで心から全てのものに感謝したいと思う気持ちやクロージングセレモニーで同じチームの女の子がフログリー氏からサイン入りのモルテンボールを表彰された時、言葉では表せないほど胸が熱くなりました。この熱い胸はどこからやってくるのかわかりませんが、そんな感動・経験をすることができ、今も思い出すだけで胸が熱くなります。そんな時大げさですが、本当に生きてて良かったと思います。

 このようなすばらしい経験を私だけでなく、一人でも多くの方に体験してもらいたい!!!今はそれを願ってやみません。そのためにもこのすばらしいキャンプのことを日本・世界各国まで広がるようにこれからも伝えていきたいと思いますし、それがこのキャンプに携わってご協力いただいた方へのせめてもの恩返しになればと思っています。

 ただ、そのためにもキャンプで声を出しすぎて(あまりにも楽しかったので)喉がつぶれてしまいましたので、まず先にこの声を治したいと思います。

 このようなすばらしい経験をさせていただいたことに深く感謝申し上げ、以上を北海道キャンプの報告とさせていただきます。本当にありがとうございました。


渡辺博光 (千葉ホークス)
渡辺 博光 私は2年ほど前に千葉ホークスの選手数名でイリノイ大学のマイクフロッグリー氏の下で車椅子バスケットを習いに行きました。この時も発起人は及川晋平でした。練習内容は札幌キャンプで行ったものと殆ど同じ様な物でしたが、その時思ったのは日本の車椅子バスケットのレベルを上げるには、日本全国のチームがマイクが教えるバスケットを遂行しなければならないと思いました。

 それほどマイクの教えるバスケットは素晴らしい物でした。日本でここまで、1から車椅子バスケットを教えられる人はいません。イリノイの合宿も本当に素晴らしい物でした。そして北海道でマイクのキャンプが行われるという話を聞き、とても嬉しく思いました。1人でも多くの人にマイクのバスケを堪能して欲しかったからです。そして、「車椅子バスケってこういう物なのかー!」と改めて実感して欲しかった。

 車椅子バスケットは体力・技術共に上達するのに非常に難しいスポーツでもあります。バスケットボール自体、とても難しいスポーツなのに、それに車椅子操作も入ってくる。本当に練習しなければならない事はたくさんあります。そんな難しいスポーツですがマイクは初心者にも分かりやすく簡潔に指導してくれます。そして何より「あくまでもバスケットを楽しむ!」という事がマイクの指導に一番にあると思います。日本国内ではここまで教えてくれるチームなんてありません。日本の車椅子バスケのチームなんてハナクソみたいなチームばかりで、どこのチームも「先輩のプレイを自分で盗め」だの「気合だ根性だ」みたいな所ばかりできっと車椅子バスケをやりはじめてもすぐに挫折して辞めていってしまった人間は山ほどいる事でしょう。きっと札幌キャンプに参加した人全員、“目からウロコ状態だったのではないでしょうか。

 4日間のキャンプでしたが、マイクは毎日同じ事はやりません。常に新しい練習がどんどん出てきて、飽きる事がありません。何と言うか、毎日同じ事をやらないというより、「やらなければならない事が多い」という事なんでしょうが。ピックアンドロールにしても、キャンプに参加した人で知ってる人もいたとは思いますが何故ピックアンドロールが必要なのか?と理解している人は少ないと思います。マイクの指導は理に適っており、とても理解しやすい。見ず知らずの人同士でチームを組み、全員が大きな声を出しながらバスケットを心から楽しんでいた姿が確実にそこにありました。「楽しいバスケット」とはこういう事を言うのだと思いました。

 車椅子バスケットは誰にでも楽しめるスポーツです。先ほどでも書いた様に、車椅子バスケットをやりはじめた人間が挫折し辞めていく様な事がこれから出てこない為にも、札幌の様なキャンプがこれから先また開催されるのはとても望ましい事だと思います。このキャンプを開催する為に動いてくれたスタッフに感謝します。どうもありがとうございました!とても楽しかったです。一生の思い出になると思います。

P.S  実の所、札幌キャンプは金銭的な問題により参加するつもりはなかったのです。でも参加して本当に良かったです。


匿名希望:少年A (某強豪チーム)
愛してるぜマイク!!
少年A  このキャンプの発起人である及川氏、神保氏らに右も左も分からぬままアメリカへ連れて行かれ、イリノイ州へ行った私は先進国のスポーツへ対する取り組み、環境作りに驚きを受けました。なぜなら大学に車椅子バスケットボールのチームが有る事、カナダのナショナルチームのヘッドコーチ(マイク)を呼び身障スポーツの研究をしている事など日本では考えられないような事が行われていました。

 彼ら(アメリカの選手)の練習を見るまではそもそも身体の作り(力や高さ)が違うから勝てないと思っていましたがそれは違いました。確かに高さのハンデは有りますがそれ以外は何も変わりません、しかしなぜ彼らの方が強いのか?答えは簡単でした、日本より練習や研究をしているからです。それ以外にも彼らを強くさせる要因は幾つもありました。

 1.幼少のときからスポーツが出来る環境がある。2.スポーツをするに当たっての費用などをサポートするスポンサーがついている。3.お国柄からかスポーツに対する姿勢がちがう。

 要因の中で一番重要なのが「2」のスポンサーです。日本の選手は家族があったり仕事があったりで生活の中でのスポーツに対するウェイトが低くなりがちで私もバスケットを犠牲にしたり家族を犠牲にしています。しかし、今回の札幌キャンプはスポンサーがついており私は驚きました。(やっと本題)

 私はマイク・フログリー氏の教えを受けるのは2回目というのもあるのですがキャンプの内容も然る事ながら、一個人が始めた企画にこれだけのスポンサーやスタッフが協力した事に感動を覚えました。

 今回、賞とボールを頂けたのはスポーツをやる喜び、発起人であるお3方の情熱を感じ日本の車椅子バスケットボール、しいては身障スポーツの底上げにいくらかでも協力したいという気持ちだったのだと思います。札幌キャンプのスポンサー及びスタッフの方々の協力を無にしないよう私をはじめ選手のみなと共に努力しなければならないのだと思います。


根木慎志 (シドニーパラリンピック日本代表キャプテン)
根木 慎志 北海道お疲れ様でした。今までに無い新たな車椅子バスケットの素晴らしさを感じることの出来たキャンプでした。全日本クラスの選手や車椅子バスケをはじめたばかりの選手、そして今回始めて車椅子に乗る選手。車椅子バスケットをこよなく愛している人達がこんなに多くの人数で、しかも4日間出来るなんて幸せいっぱいの時間でした。

 私は知らぬ間に17年間車椅子バスケをしてきました。健常の時は柔道・水泳・サッカーとまあまあのレベルでやってきたし、素晴らしい指導者の元で出来たと思います。しかし、このキャンプのコーチ、マイク フログリーのような人には初めて出会えました。

 それは4日間通して、マイクは選手全員を誉めつづけて指導していたということです。「エクセレント!!」です。何回この言葉を聞いたでしょう。おそらく参加した選手全員がマイクから聞いているはずです。健常者の頃から約30年スポーツをしていますが、指導者からこれだけ誉められたのは今回初めてのような気がします。

 またマイクは誉めるだけでなくそれによって個々の良いとろをどんどん引き出していました。日本のスポーツの指導の考えの中にはまだまだ誉めることは少なく、怒ったり、怒鳴ったり、個人の良いところを伸ばすのではなく出来ないところを叱ったりして直させる傾向があると思います。これからは、このキャンプのように選手全員が楽しく全力で意識してスポーツをする習慣が身につけば良いなあと思います。

 このキャンプを企画した及川晋平さんはじめスタッフの皆さんと、このキャンプに参加した プレーヤー全員に感謝します。
 私にとってもう一つ素晴らしい出来事があったので書きます。
 マイクに初めて(?)会ったのは、3年前JAPANが始めてデンバーに海外遠征に行った時です。それから自分の心の中にもやもやしたものがありました。それは、それよりも前に自分はマイクに会った事があるのでは・・・・でした。その後世界選手権・ルーズベルトカップ・シドニーパラと何度か話す機会はあったのですが伝えるタイミングがなく、ようやく今回のキャンプ中に聞くことが出来ました。

 2日目の昼ご飯を食べている時でした。通訳を介して僕がマイクに「マイクはカナダのナショナルチームでプレーしていたらしいが昔イギリスの大会に出たことはないか?」とたずねました。そしたらマイクが「12年前始めてカナダかイギリスのストークマンデビル大会で優勝した時に出場したよ。そして、その時ある日本人のプレーヤーとジャージを交換したよ」と言いました。

 そうなんです。その日本人が自分なんです。あの時は私も始めての海外遠征だし外国のプレーヤーを見るのも初めてで、みんな同じ顔にしか見えなかったんですが、マイクと交換した理由はカナダが優勝したし、その中でも一番小柄なやつを選んだのでした。でもデンバーでマイクに会ったときからひょっとしたらひょっとするかもと思いつつ、このキャンプでそれがわかったのもなにか運命を感じました。そのジャージ は 12年たった今でもたまに着ています。

 是非ともまたこの素晴らしい企画を続けて下さい。それと自分に出来ることがあればスタッフとしても参加したいです。そしてこの北海道キャンプを伝説にしていきましょう。

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