第12回車椅子バスケットボールキャンプ(Jキャンプ ファンダメンタル)in 千葉2015 報告
◆Jキャンプ千葉2015
1)概略
平成27年8月8日(土)から10日(月)まで、参加者32名を迎えて第12回目となるキャンプを開催しました。リオパラリンピック予選を兼ねたアジアオセアニア選手権大会の開催を10月に控え、千葉市の「ポートアリーナ」という素晴らしい会場で開催することができました。
「世界レベルの“基礎”を学びながら、車椅子バスケの楽しさを伝える」ことを軸として、イリノイ大学で構築されたカリキュラムを基に、日本の環境に合うように独自でプログラムを構築。当初3泊4日で開催していたプログラムを、現在では2泊3日に凝縮して行っているため、密度の濃いハードな内容となっています。
2)参加者層
1)障害のないプレイヤーの参加割合が増加傾向にありましたが、今年はその割合が大幅に下がりました。
2)最年少13歳を含む中高生を中心とした若い世代のプレイヤーの参加が、全国からみられました。
3)初めて参加するプレイヤーが26名と参加者の2/3以上でありました。
名古屋市で開催されていました「D-NUGGETS CUP2015全国ジュニア選抜車椅子バスケットボール大会」の日程変更に伴いJキャンプと開催日時が重なってしまったことから、メインターゲットであるジュニア層の参加が厳しい状況にあったことは非常に残念でした。また、「日本車椅子バスケットボール大学選手権」の前週ということもあり、近年半数近くを占めていた大学生プレイヤーの参加も見込めないにもかかわらず、開催に十分な人数の参加を得ることができました。
経験年数が浅いプレイヤーや若いプレイヤーが多いことも手伝って、遠征経験のない方も多かったようで、事前に細かい問い合わせが多くありました。中途障害の場合、障害を負ってからの遠出の経験がない、障害を負う前にスポーツ経験があまりない、など、さまざまな「経験不足」が想定されるため、事前の連絡調整と参加者の状況把握は重要な視点の一つです。
3)スタッフ体制
【海外講師】 ◆Mina Mojtahedi (元イリノイ大学アシスタントコーチ) ◆Jacob Tyree (2013年ファンダメンタルキャンプ講師、U23アメリカ代表) 【日本人講師】 □原田 麻紀子 (NPO法人Jキャンプスタッフ。2011年U25日本代表女子チームアシスタントコーチ、元イリノイ大学アシスタントコーチ) □根木 慎志 (NPO法人Jキャンプ副理事長。元日本代表。2000年シドニーパラリンピックキャプテン) 【補助講師】 □佐藤 聡 (2008年北京・2012年ロンドンパラリンピック日本代表。福島2003ベストキャンパー) □森 紀之 (2004年アテネ・2008年北京パラリンピック日本代表) □藤本 怜央 (2008年北京・2012年ロンドンパラリンピック日本代表) □香西 宏昭 (2005年ジュニア世界選手権銀メダル獲得、ベスト5受賞。2008年北京・2012年ロンドンパラリンピック日本代表) 【モデルプレイヤー】 □吉田 絵里架 (2004年アテネ・2008年北京パラリンピック日本代表) □網本 麻里 (2005年ジュニア世界選手権銀メダル獲得、2008年北京パラリンピック日本代表、得点王受賞) |
左の講師名をクリックすると写真が表示されます。 |
海外講師としては、当キャンプのカリキュラムの骨子となっているイリノイ大学のカリキュラムを熟知していることがまずは前提条件ですので、今回もイリノイ大学出身の2名を招聘しました。
今回の内部的なテーマの一つが「世代交代・人材育成」でしたので、特に通訳については、「研修生」の制度を設けまして、3名がそれぞれ研修的立ち位置で通訳に挑戦をしました。難しい挑戦だったにもかかわらず、それぞれが苦戦しながらも今後に対して前向きに努力を続けるというフィードバックがあったことは非常に大きなポイントの一つであす。
継続参加のボランティアが増えたことや、これまでより大きな会場ということもあり、会場設営のみ依頼したボランティアチームが能動的かつ楽しんでかかわってくださったことにより、非常に充実した体制をとることができました。
4)まとめ
前回2013年は「酷暑」という言葉が出たほどの最も熱かった期間と重なってしまい、空調のない体育館で熱中症を出さないために、プログラムの内容を少し削るなどの対応に迫られました。これ以上空調のない体育館での開催は危険であると判断し、2014年は空調設備の整った体育館の確保ができなかったことから開催を断念しました。
2015年、「READYFOR」というクラウドファンディングに成功し、60万円の支援を得ることに成功。また、「車椅子スポーツのメッカ」にしたい、と掲げておられる千葉市の協力を得て、空調設備の整ったポートアリーナを確保することができました。
様々な意味で注目度が高くなっており、TV局2社を含むメディアや関係団体からの見学者が数多く来訪くださりました。しかしながら、「このようなイベントがあった」という短い記事にするよりは、しっかりと取材して次の特集記事等で活かしたい、という趣旨のものが多く、紙面や映像に登場するのは追ってのこととなってしまったことはやや残念ではあります。
大学生の参加者がほとんどいなかったこと、「年齢的には若い世代というわけではないが、競技歴・受障歴は浅い」参加者が多かったことからか、初日はなかなか声が出せない参加者が多かったです。「トーク」の仕方、その大切さについて学んでからは、見違えるように声を出せるようになり、トークが体育館にこだまするようになりました。メイン講師のMina Mojtahediが繰り返し質問を重ね、辛抱強く参加者からの発言を促していたことも、受動的ではなく能動的に参加するプレイヤーの姿勢を生み出し、「トーク」に結びついたように思います。
最後に、準備段階からきめ細かいサポートをいただいた千葉市の皆さま、並びに(公財)千葉市スポーツ振興財団の皆さまには、心からお礼を申し上げたいと思います。前述の通り、スタッフ体制としては「世代交代」をテーマとしていたことから、至らぬ点が多々ありご迷惑をおかけいたしましたが、常に温かく見守りこの企画を共に作り上げていただいたという感謝の気持ちでいっぱいです。
多くの皆様のおかげで、今年も無事に終了することができましたことをここにご報告申し上げます。本当にありがとうございました!!!
各賞受賞者
Jキャンプ賞受賞者
★BIRTHDAY 高橋 剛志 持ち点 4.0 ★SMASH 仙座 北斗 持ち点 1.5 ★NEBUTA38° 上田 歩 健常者 ★PEANUTS 遠藤 泰 持ち点 2.0 ※各チームから1名選出。受賞者にはバスケットボール等を授与 |
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M V P
★一日目(ハッスル) 「IRC井上ゴム工業(株)MVP」 仙座 北斗 持ち点1.5 ★二日目(トップピッカー) 「ワミレスコスメティックス(株)MVP」 五十嵐 雄也 持ち点2.5 ★三日目(チームプレイヤー) 「三菱商事(株)MVP」 村上 慶太 持ち点1.0 ※受賞者には各賞をサポートしてくださったスポンサー様より商品を授与 |
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コンテスト勝者
★一日目(ジョージアテックレイアップ) 「ゼットクリエイト(株)・コンテスト」 宮原 悟 健常者 ★二日目(ドリブルノックアウト) 「IRC井上ゴム工業(株)・コンテスト」 池田 貴啓 持ち点3.5 ※勝者には各コンテストをサポートしてくださったスポンサー様より商品を授与 |
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リアル杯トーナメント優勝チーム
★NEBUTA38° (8名)
上田 歩/今宮 秀樹/西村 朝未/中島 憲吾/内山 雄介/村上 涼/田村 暢哉/斉藤 祐介
※優勝チームにはヤングジャンプ特製グッズ(提供;集英社)を授与
(準優勝:BIRTHDAY 3位:PEANUTS 4位:SMASH)