NPO法人 Jキャンプ

 レポート&コラム

No.24日本国旗 Mugunghwa Electronics Wheelchair Basketball 韓国国旗
(韓国bP車椅子バスケットボールチーム)に注目!!!
2010.05.24. 金子 恵美子

2009年10月23日(金)〜25日(日)
北九州市立総合体育館(第7回北九州チャンピオンズカップ)

Mugunghwa
写真提供:伊藤真吾

今大会とても楽しみにしていた、韓国ナンバー1チームMugunghwaと日本のナンバー1チーム宮城MAXとの戦いは、74-62でMugunghwaの勝利となった。

Mugunghwaは、日本代表として活躍中の宮城MAXのエース藤本玲央選手をダブルチームでがっちりと封じ込めるディフェンスでMAXの得点力をしっかり押さえたことが大きな勝因であった。
またオフェンスでは、4.5のセンターには藤本選手ほどの力強さはなかったものの、♯4 Kim選手(持ち点3)と♯14 Lee選手(持ち点2.5)、♯8 Ko選手(持ち点2)の積極的なアウトサイドからのシュートがMAXディフェンスを広げさせ、センターがうまくインサイドに入り込む形でMAXディフェンスを苦しめた。

特筆すべきはかつて韓国代表として大活躍した♯4 Kim選手。長身で手も長く、3点という持ち点をはるかに上回る活躍を見せた。彼のドリブルワークとパスセンスは見事にコートをコントロールし、ここぞというところで確実にショットを決めるなどしてチームを牽引し、Mugunghwaペースを終始貫くことを可能にした。また、ローポインターであるところの ♯14 Lee選手と♯8 Ko選手は、藤本選手を封じ込める見事なディフェンス、積極的なアウトサイドシュート、と見る者を魅了する大活躍だった。この3点以下の選手たちの果敢なオフェンスは、イギリスのスーパー3ポイントシューターJohn Pollock選手(持ち点2.5)や、イタリアのスーパーシューティングガードFabio Raimondi選手(持ち点2)を彷彿させた。

Ko Kim Lee
写真提供:伊藤真吾


 

◆試合後のKim Hyun Sook (コーチ)にインタビューmic


1. 韓国の車椅子バスケットボールでは、プロ契約をしている選手などはいますか?

基本的には「プロ」ということではないですが、実業団に近い形で、会社のクラブのような形でチームを作り、業務上も練習のスケジュールなど考慮してくれているケースが少しずつ出てきています。
Mugunghwaの場合も会社としてチームは持っていて、練習に対する時間的配慮はあるものの、それ以外では特に大きなかかわりがあるわけではありません。たとえば、会社が体育館を一応は持っているのですが、とても小さいため、結局は自分たちで体育館を探さないとならないという状況です。けっして、とても恵まれた環境であるとはいえないまでも、会社側が練習に対して考慮してくれるということについては、選手にとっても非常に大きいことだと思っています。

2. 素晴らしい采配で日本とメキシコのチームを破り、トルコに次ぐ2位となりましたが、コーチはチームにおいて何かしらの契約をしているのですか?たとえばチームからお金は出ているのですか?

交通実費程度をいただくことはあるものの、基本的にはお金は出ていません。
韓国としては、オーストラリアのコーチを呼んでコーチングクリニックを開催するなどもしていますが、現時点ではそういった経費もすべて自費になっています。もっともっと学ぶ機会がほしいですが、正直、自費であることを考えれば、かなり厳しいと言わざるを得ません・・

3.今大会について、そして今後について、どう思いますか?

このような大会が開催されるのは大変喜ばしいことです。
またこのような機会を与えていただけることができればと思っています。
日本と韓国は近いので、もっともっと交流できる場があるといいですよね。

金子 Kim Hyun Sook 


◆韓国の成長


Kim Hyun Sook本当に面白い試合だった!
クラブチーム同士の戦いとは言え、たがいに代表選手を要するチームということで、日韓戦、とも見える試合だった。最初から最後まで終始ゲームを支配していたMugunghwaは、宮城MAXを相手に、きっちりと対策を講じていた。コーチは女性コーチ。かつて代表チームをけん引したこともあるとのこと。見事な采配だった。
絶対的な頼れるセンターが不在でありながら、見事なパスワークとアウトサイドシュート、スピードを生かして勝利を収めたMugunghwa。また見てみたいチームだ!






写真提供:伊藤真吾


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