NPO法人 Jキャンプ

 レポート&コラム

No.33 2011年女子U25世界選手権  ―それは新しい歴史の始まり
2011 U25 WWBC … This one is for the history books.
2011.07.30. c.muldoon.wbc
2010.08.08. 翻訳:山本聖子

この大会に携わったすべての人々に対し、私は脱帽の思いでいっぱいである。これほどあっという間に終わってしまうとは、誰もが想像していなかっただろう。観客、選手、大会関係者、およびボランティアスタッフそれぞれが、この先ずっと記憶に残る思い出を胸に、この大会をあとにした。

言うまでもなく、今大会のレベルはIWBFが期待していたものをはるかに上回っていた。どの選手もチームに対して献身的であり、あらゆるものを犠牲にしてまで勝利を収めようと必死で戦った。選手たちがコートの中で見せてくれた情熱や粘り強さに感謝できることさえ、私にとってはとても光栄に感じられるものだ。

史上初の女子U25車椅子バスケットボール世界選手権において、この年代の新たな基準が確立され、それは今後世界選手権を立案し組織する上での、ゆるぎない柱となることだろう。ウェブサイトからの試合中継を通して、参加国だけでなく、それ以外の地域でも多くの人々に試合を観戦してもらえた。セント・キャサリンズの地元メディアは日々試合の様子を報道し、初めて観戦する人々に対して、車椅子バスケットというスポーツがいかに激しいものなのかを紹介していた。

ブロック大学は開催地としての役割を見事に全うし、その体育館の素晴らしさには誰もが納得するだろうと思われる。毎日通いつめてくれたボランティアや各チーム担当のスタッフなどには称賛の思いでいっぱいであり、車椅子バスケットに対する彼らの熱狂ぶりや感嘆の様子からは、決して興味が尽きることのないものだと感じさせられる。それに、現地組織委員会にも深く感謝の意を表したい。と言うのも、そのたゆまぬ働きかけがあってこそ、このような歴史に残る大会が開催されたからだ。事務局長をはじめ、通信および大会管理者に至るまで、それぞれの大会への思いが一つになり、組織委員会として正しい方向へと導かれていったのだろう。

何にせよ、このような形で私なりの今大会の見方を広く知ってもらえるのは、嬉しいことである。最後に、すべての選手たちの健康と今後の輝かしい活躍を祈るとともに、すばらしい歴史の一部分となってくれたことに改めて感謝したい。

また次の大会まで。

限界に挑戦し、これまでの認識を超えて、戦いに挑もう。

集合写真


終わりに:事務局カネコ

この文章を書いたのは、組織委員会の一員として通信メディア部門アシスタントを務め、「車椅子バスケットボール・カナダ」の研究員でもあるMuldoon氏。

今回は大会開催前から様々な形で広報展開がなされていたことが印象的だったが、Muldoon氏のような方々の努力が、大会を様々な角度から支えたに違いない。

大会公式HPのみならず、フェイスブックやツイッターなどソーシャルメディアを駆使して大会を盛り上げ、出場選手がサイト内でブログを書くなど、これまでにない多角的なスタイルでの広報展開は、大会開催地以外の遠い国の我々にも、十二分に国際大会のわくわくとした高揚感を伝えてくれるものとなった。

特に、すべての試合がSports Canadaの実況のもと生中継されたことは非常に大きく、「スポーツの祭典」として全世界を楽しませてくれた。

また、中継の合間に流れていた映像の中で、アメリカのカレッジ・リーグのことがとりあげられていた。この大会で活躍していた各国の中心選手の多くが、アメリカのカレッジ・リーグに所属していることがとても印象的だった。障害のある同世代が集まり、全力で競い合い、高めあうことのできる環境を、カレッジ・リーグは提供している。アメリカ国内のみならず、カナダ、イギリス、オーストラリア、ドイツなど様々な国から、障害のある若者たちがカレッジ・リーグを目指す、そこに込められた意味を、今一度考えてみたい。

最後に。
JキャンプスタッフよりHC橘香織、AC原田真紀子率いる我らがフレッシュJAPANへ!最初は頼りなさそうに見えた選手たちが、試合を追うごとにたくましく成長し、体の大きな外国人選手を相手に、堂々と自分たちの戦いを挑む様子に心を熱くさせてもらいました!
また、網本麻里選手の一試合51得点はIWBFの歴代記録を塗り替えたことは、世界の多くの人の心に日本のポテンシャルをたたきつけたことと思います。
フレッシュJAPANの皆さん、本当に、本当に、ありがとうございました!!!!

U25選手・スタッフメンバー

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