【No.63】「より多様な人が自分らしく車いすバスケを楽しむには?」を考えるオンライン企画 テーマ:「LGBTQ+とスポーツ」開催報告

最近では多様性や共生社会という言葉をよく耳にするようになりました。Jキャンプでもジェンダーの問題などを含め、車いすバスケの中での多様性について考えていきたい。そうすることで、さらに多くの人がこのスポーツを心から楽しめるようになれたら、そんな思いが詰まったオンライン企画の第1弾。12月4日(日)に「LGBTQ+とスポーツ」をテーマとして、プライドハウス東京アスリート発信チームとの共催でお届けしました。

車いすバスケ関係者、障害者スポーツ関係者のみならず、その他スポーツ関係者、教員の方、ボランティア活動をされている方などさまざまな分野から80名以上の方にお申込みいただきました。

第1部ではプライドハウス東京理事であり、一般社団法人S.C.P. Japanの共同代表でもある野口亜弥(のぐち あや)さん、そしてプライドハウス東京アスリート発信チームとS.C.P. Japanのメンバーでもある折目真地(おりめ まち)さんが、「LGBTQ+とスポーツ」の正しい知識とプライドハウス東京アスリート発信チームの活動についてお話しくださいました。

「なんとなく聞いたことはあったけど…」「TとかQとか+ってなんだ?」「スポーツとどう関係があるの?」「自分にできることって?」

そんな疑問に答えてくれる内容を分かりやすくお話していただきました。

(写真)第1部基調講演スライドと登壇者

第2部では、アスリートである3人のパネリストを迎えてパネルディスカッションを行いました。LGBTQ+当事者の佐藤湊(さとう そう)さん、村上愛梨(むらかみ あいり)さん、LGBTQ+アライアスリートの網本麻里(あみもと まり)さん。デフ陸上、ラグビー、車いすバスケと競技されるスポーツが異なる3人でしたが、皆さん高いレベルでスポーツをされている、またもともと面識のある3人だったということもあり、息の合った和やかな雰囲気でお話をしてくださいました。

様々な話が挙がる中、湊さんがお話くださったダブルマイノリティ(トランスジェンダーでろう者という二つのマイノリテである)として直面する問題や愛梨さんのラグビー界で感じた心理的安全性についての話はとても印象的でした。また麻里さんがアライとしてこれからも学び続けたいというお話も、当事者でないアライとして何ができるかを改めて考えさせられました。 

(写真)第2部パネルディスカッション(パネリスト、モデレーター、手話通訳)

当事者の方々の率直なお話やパネリストの皆さんの海外での経験など、新たな気づきを得た参加者の方々も多かったのではないかと思います。実際にイベント後のアンケートでも、新たな学びや気づきがあった、知ることの必要性を感じた、自分に出来ることをしていきたい、などの感想をいただいています!また、今回のイベントを通してLGBTQ+をこれまでよりも身近に感じることができた方も多かったのではないかと思います。

今回のテーマはLGBTQ+でしたが、そのほかにもジェンダーやダイバーシティと言った点でのスポーツ内での課題はたくさんあります。余談ですが、ゲストにろう者である湊さんをお招きすることになり、普段車いすユーザーに対する配慮には知識のある当法人スタッフも、ろう者である登壇者や視聴者に対するオンラインイベントでの対応については理解・知識が非常に乏しかったことに気づかされ、たくさんのことを学ばせていただきました。また改めて多様性やインクルージョンについて考えさせられました。

これからもスタッフ同様、車いすバスケや障害者スポーツに関わる、あるいは応援してくださる皆さまと一緒に、新しい知識を得ながら気づきを得ていく。そして多様性の大切さを認識し、より多くの人が車いすバスケなどのスポーツを自分らしく楽しむことで共生社会への実現をかなえていける、そんな活動を続けていきたいと思っています。

「より多様な人が自分らしく車いすバスケを楽しむには?」を考えるオンライン企画。次回のテーマは現在熟考中ですが、準備が出来次第、JキャンプのホームページやSNSで発信いたします!お楽しみに。

最後になりましたが、今回ご登壇頂いた亜弥さん、真智さん、湊さん、愛梨さん、麻里さん、共催してくださったプライド東京アスリート発信チーム様、そしてご協力いただいたボランティアスタッフの皆さん、本当にありがとうございました!

(写真)イベント終了後の佐藤湊さんとJキャンプボランティアスタッフ

[開催概要]
「より多様な人が自分らしく車いすバスケを楽しむには?」を考えるオンライン企画」

テーマ:「LGBTQ+とスポーツ」
開催日: 2022年12月4日(日) 午前10時~12時
主催:  特定非営利活動法人Jキャンプ
共催:  プライドハウス東京アスリート発信チーム(企画・運営:一般社団法人S.C.P. Japan)
後援:  一般社団法人日本車いすバスケットボール連盟
助成団体: 日本財団
開催方法: オンライン
参加費: 無料
対象:①車いすバスケットボールに関わる方(アスリート、コーチ、スタッフ、保護者など)
   ②障害者スポーツに関わる方
   ③一般の方

第1部           基調講演 「LGBTQ+とスポーツ」
登壇者
野口亜弥氏(プライドハウス東京理事、一般社団法人S.C.P.Japan共同代表)
折目真地氏(プライドハウス東京アスリート発信チーム、一般社団法人S.C.P.Japanメンバー) 

第2部 
パネリスト
村上愛梨氏(15人制ラグビー元日本代表)
佐藤湊氏(デフリンピック日本代表 陸上競技/棒高跳び)
網本麻里氏(北京、東京パラリンピック車いすバスケ女子日本代表、LGBTQ+アライアスリート)

モデレーター
野口亜弥氏

ライブ配信時に文字通訳(UDトーク)、手話通訳を提供
後日1カ月の見逃し配信あり

ABOUTこの記事をかいた人

Jキャンプスタッフ、通訳・国際事業担当。 日本にて車椅子バスケ各種大会や車椅子バスケ、車椅子ラグビーなどのキャンプで通訳として活動したあと渡米。 イリノイ大学大学院でスポーツマネージメントを専攻しつつ、同大車椅子バスケ部のマネージャー、アシスタントコーチをつとめる。 2008年夏に卒業後、現在はカナダ・バンクーバーのBC Wheelchair Basketball Societyにてプログラムコーディネーターとして働く。 また、これまでも趣味としてプレーをしてきたが、障害が無くとも公式戦に出場ができるカナダでプレーヤーとして活動しはじめる。 2011年に行われたU25女子世界選手権大会には日本代表チームのACとして参加。