NPO法人 Jキャンプ

 レポート&コラム

No.41
「障害者スポーツとしての車椅子バスケットボールを考えるinドイツ」研修報告1ー事前研修ー
2015.02.28. 愛知 裕子

【はじめに】
障害者のみならず、健常者もうまく融合して車椅子バスケットボール(以下、車椅子バスケ)を行っている国のひとつとして、ドイツがあります。今回は、もう一度「障害者スポーツとして」の車椅子バスケについて改めて考えるために、ドイツ研修を行いました。その内容と研修を通して学んだこと、感じたことを報告します。
かなりボリュームの多い内容となってしまったので、「事前研修」「現地研修1」「現地研修2」に分け、三つのコラムとしてアップしています。

【事前研修】
2014年5月、ドイツ研修へ向けた事前学習研修として、ドイツや他国での車椅子バスケを取り巻く環境について、一般社団法人ふうせん遊び協会事務局長橋本大佑氏と当法人事務局長金子による講演を行いました。 また「語る会」と銘打ち、車椅子バスケの健常者プレーヤーを中心として、車椅子バスケの魅力や今後どのように車椅子バスケに関わっていきたいか、などについて語り合いました。健常者だけど車椅子に乗ってプレーを続けている…今後どのように進んでいったらよいのか…そんなモヤモヤを抱えた方が多く、これから考え続けていかなくてはいけないことをそれぞれの胸に残した会になったと思います。

事前研修 事前研修&語る会で想いをぶつけ合いました

【ドイツの障害者スポーツ】
ドイツの障害者スポーツの基本的な考え方として、障害者スポーツはリハビリテーションスポーツ、生涯スポーツ、競技スポーツの3領域に分かれています。そして、障害を負った方は病院を退院したあとも医療保険を利用して、自分の住む地域でリハビリテーションスポーツを受けることができるということがあります(医師の処方に基づいていることや専門の指導者がいること、利用回数や期限などの条件付き)。障害者がスポーツを始める際の導入部分とされるリハビリテーションスポーツを容易に受けやすい環境が身近にあるのです。さらに保険適用が終了したあとでも、そのまま地域のスポーツクラブでの活動が継続しやすいというメリットもあります。
ドイツでは障害者スポーツ連盟に登録しているスポーツクラブが6千以上あり、また登録人数は63万人以上です。スポーツクラブとは日本でいうNPO法人のようなもので、総合型地域スポーツクラブの体系をとっており、登録するとさまざまなスポーツの中から自分に合う種目を選択することができます。
活動場所は、主に小中学校の体育館や地域のスポーツセンターなどの公共施設です。このようにドイツでは障害者が自分の住む地域で気軽にスポーツを楽しむことができる環境がつくられています。

【ドイツの車椅子バスケットボールの特徴 】
ドイツの車椅子バスケの特徴として以下のものがあげられます。
・健常者が持ち点4.5点として国内全試合に出場できる
・男女混合(女子はアドバンテージとして持ち点−1.5点)
・国内で1〜5部のリーグ制度をとっている
※ブンデスリーガ(1部リーグ)のハンブルクBG Baskets Hamburg)に香西宏昭選手、藤本怜央選手が在籍中

☆ドイツの車椅子バスケについて詳しくはJキャンプスタッフ香西宏昭がコラムを書いています!
No.40 ドイツ・ブンデスリーガ1年目を終えて

次回のコラムでは、実際ドイツへ行った、現地研修についてお伝えします。

筆者紹介
INDEX
No.41 ドイツ研修報告 事前研修・・・
No.40 ドイツ・ブンデスリーガ・・・
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No.33 2011年女子U25世界選手権・・・
No.32 「人間の可能性とは??ピ・・・
No.31 Jキャンプ茨城2010講師Ste・・・
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