NPO法人 Jキャンプ

 レポート&コラム

No.28中国国旗 元・車椅子バスケ代表選手が “粗探し”
2010.12.11. 山本 聖子

広州アジアパラ競技大会の選手村に、北京パラリンピック男子車椅子バスケ中国代表チームキャプテンの陈g(chen qi / チン キ)がいた。バリアフリー施設視察員として、毎日車椅子で選手村内を巡回していると言う。主な仕事は“粗探し”で、施設のバリアフリー状況に問題がないかどうか、他の部署の人たちと協議を重ね、より良い施設づくりに取り組んでいる。

広州にとって一年で最も暑い季節である7月、陈gの仕事は始まった。選手村内のあらゆる施設を視察し、その良し悪しを判断するには、車椅子利用者自身が実際に現場で動いてみるのが一番だからである。陈gの仕事は、そこで自身が感じた問題を指摘すること、そうすると建設部門へ要求があげられ、すぐさま改善に取りかかる、という流れである。

陈gが今回の仕事に就いた初日、早速その役割が発揮される場面があった。各国の代表選手が選手村に到着後、まず向かうのはウェルカムセンターであるが、陈gはそのサービスカウンターの高さを調整する必要があると指摘した。と言うのは、アジア競技大会中、選手たちは立ったままの状態で様々な手続きをするが、アジアパラ競技大会では車椅子の選手にとって、同じようなサービスカウンターだと高すぎるのだ。したがって80cmほど低いサービスカウンターを設置することにし、係員も座って対応するという結果になった。

このような“粗探し”役は人から嫌がられるのではという問いに、陈gは次のように答えた。「周りの人々は本当によく理解してくれる。何か問題を見つけると、すぐに手を打ってくれるんだ」と。かつては代表選手として北京パラリンピックに参加した陈gだが、「北京パラリンピックの時と比較すると、広州の選手村はバリアフリー環境という点において格段に優れている」と、とても誇らしげに語った。競技大会終了後も多くの施設がそのまま残され、地域住民にも使用してもらえるようになるだろう。

(参考:http://www.sznews.com/zhuanti/content/2010-12/02/content_5136282.htm)


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